黒田郡の謎に迫る

  高知県に古くから伝わる黒田郡伝説。白鳳地震で一夜にして沈んだと言われる黒田郡の調査を通して、南海地震に対する防災等に役立つ知見が得られればという思いで研究を行っています。Twitter: https://twitter.com/Kurodagori

第二回黒田郡プロジェクト調査航海@野見湾

2014年9月4日 第二回黒田郡プロジェクト調査航海を実施した.

今回は地元の漁師さんも乗船し,情報提供を頂きつつ,前回3月の地形調査航海の結果を参考に底質のサンプリングを行った.

海底遺構由来の人工物が得られればベストだが,まずは底質の実態把握のための調査である.

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今回も高知大学の調査船ねぷちゅーんに乗り込み,調査を行った.

 

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↑調査した高知県須崎市の野見湾.

野見湾は,海底地形調査で水深約5mの浅い場所に台地状の地形が認められている

また,漁師さんの話では「井戸の跡がある」という情報もある.

そこで,水深の浅い台地の上から,水深約15mの海底にかけて,複数の横断面で40試料を採取した.

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↑サンプリングに用いたグラブ採泥器(重さ約20kg).

スミス・マッキンタイヤ型採泥器(通称スミキン)と呼ばれ,採泥器が海底に到達すると試料採取部が閉じて底質をつかみ取る.

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スミキンの投入と回収.スミキンはワイヤーで吊るしているが,船の縁に当たらないよう持ち上げて投入・回収した.底質が入る回収時はかなり重い...

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スミキン回収後,まずは蓋をあけて底質が採れているかチェック.

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底質はタライに回収し,分析用に一部の砂泥を採取後,ふるいがけ.大きな破片の中に人工物がないか確認した.

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時おり激しい雨が打ち付け,たまに雨が止んで晴れると蒸し暑くなる天気を繰り返し,コンディションはあまり良くなかったが,怒涛の勢いでサンプリングを敢行.

予定通りのサンプリングを行い,無事に調査は終了した.

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↑下船後,NHK高知のインタビューを受ける代表

 

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一部には人工物(瓦か?)らしき石も.

今後の試料解析により,こうした石がそもそも人工物か,そして,黒田郡の遺物か検証を行いたい.